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超個人的男性声優楽曲大賞2015(中編)

前回の続きです。さきにことわっておきます。今回、8割がた楽曲の話をしていません。。いやそれいつもか。まあいいや。




25. MONSTER GENERATiON / IDOLiSH7
作詞:真崎エリカ 作曲・編曲:kz
『MONSTER GENERATiON』2015.8.24 ランティス
アイドリッシュセブンの登場によってすべての二次元アイドルは過去の存在になったと言っても過言ではないんじゃないでしょうか。こと楽曲においてのみ言えばそれくらいの圧倒的な強度をもって現れた曲です。キラキラした音づくりをさせたらkzさんの右に出るものはないとつねづね思ってますがこれもまさにそのとおりに。そのぶん声優楽曲としての必然性として考えるとちょっと弱いのですが、ただただそのクオリティの高さゆえにたんなる三次元アイドルの縮小再生産になっていないところがこれまでのアイドルものとの大きな違いだと思ってます。でも欲を言えばさらにもう一手決定打が欲しい。そういう点でも今後の展開に期待してます。


24. 木漏れ日ダイヤモンド / 一十木音也(CV:寺島拓篤
作詞:上松範康 作曲:藤田淳平 編曲:喜多智弘
うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ クロスユニットアイドルソング 一十木音也・四ノ宮那月』2015.4.22 b-green
そのままCMソングに使われていそうな80年代ソロアイドル風味のいい曲がうたプリから出てくるとはめちゃくちゃ意外でした。綺麗ア・ラ・モード的な。これまでのてら氏のイメージともまた違ってさらに驚き。音也の歌声って正直作りすぎな感じがして苦手だったんですがこの曲にかんしてはぶりっ子すぎずやわらかさと芯の強さのバランスがとても良いと思います! わたしがたんにてら氏の声に慣れただけかもしれませんが……。喜多さんはエレガのなかではわりと新顔だと思いますがちょっと注目していきたいところ。


23. カラフルレンズ / 小野大輔
作詞・作曲:藤本記子 編曲:福富雅之
『Doors』2015.7.1 ランティス
「いい曲」とはこういう曲です!というまるでお手本のような、そうまるで大資本のアイドルがコンサートの終盤で歌うような曲。ていうとなんか悪口みたいに聞こえるかもしれませんがそんなことはなくてただただひたすら素直にいい曲です。小野さんのすごいところはいくらベタなことをやっても許される、むしろそれが小野大輔という個性になっているところで、このひとはある意味声優界のモードやトレンドとは無縁でい続ける孤高の存在なのではないかと最近考えるようになりました。小野さんはいつまでもこのまま突き進んでほしい。


22. オノパラダイスキ! / オノパラダイスカファミリー
作詞・作曲:小野友樹 編曲:川越好博
『オノパラダイスキ!』2015.10.28 マリン・エンタテインメント
気持ちいいホーン隊の上にひたすら繰り返される「オノパラダイスキ」のフレーズが癖になる一曲。というか半分くらいそれしか言ってない気が……。この曲なにがすごいって楽器ちゃんと生で録ってるんですね! 謎に気合い入ってます。PVはパリですが楽曲にはどこか横浜っぽさもある気がします。全体的にスタイリッシュでかっこいいんですがときおりはさまる江口拓也の奇声が気になりすぎます。。


21. El sol Florecer / 葉月陽(CV:柿原徹也
作詞:鳥居羊 作曲・編曲:うたたP
『El sol Florecer』2015.8.28 ムービック
ネットレーベル的同時代感ということでいえば突き抜けてます。なんていうかスタッターエディット一歩手前の感覚というか。「Genau!」もそうだったんですが2年経ってさらにそれが加速した感。出だしのとことか悪質な曲の気配がするのも高ポイントです。しかしセリフで一気に気持ちがスッ……と戻ってくる笑


20. 妄想テク! No break! / 奥間狸吉(CV:小林裕介
作詞・作曲・編曲:吟
下ネタという概念が存在しない退屈な世界』第2巻特典CD 2015.9.30 キングレコード
作品が作品なので歌詞がひどいのはもうしかたないのですが笑(でもそう聞こえる言葉を選んでるだけなんですよねこれが! ちなみにわたしは下セカはバカSFだと思ってます)、裕介くんの恥を捨てキャラに徹して弾けきった歌いっぷりがすごい。乙女コンテンツにあんまり出ないせいかあんまキャラソン歌ってるイメージないんですが、めちゃくちゃ歌上手いんですね! さすが声優界でいちばんかっこいい男。ぎりぎりの歌詞をおいておけば曲自体はデジタルロックとでも言うんでしょうか、ふつうにかっこいいです。しかしなにがいちばん飛び上がったって突然の「あっ気持ちいい♡」これに尽きる。。どこまで意図してんのか不明ですがキャラソンのなかに一瞬だけ本人が垣間見えるという新たな手法を見せつけられた気がします。。


19. 脳漿炸裂ガール / れるりり feat. 蒼井翔太×増田俊樹
作詞・作曲・編曲:れるりり
『EXIT TUNES PRESENTS ACTORS3』2015.3.18 EXIT TUNES
ボーカロイドの曲が嫌いなわけではないのですが、とにかく人間がボーカロイドのためにつくられた曲を歌うということが苦手です。本来人間が歌うようにできていない曲を無理やり歌うことにはどうしても違和感が生じます。なのでこのシリーズもやっぱり喰い合わせ悪いしやる意味あるのかなぁと思ったり思わなかったりなんですが、その考えをがらっと変えさせられたのがこの曲。なんでしょうこのふたり声の存在感がボーカロイドに近いというか、なぜか不思議なほど違和感がないんですよね。逆にふつうに歌ってるときのほうがアクが強いからこのふたり実はボーカロイドだったのかもしれない……。『この電話番号は現在使われておりません』のあたりの処理とか掛け合いならではのおもしろさが出ててむしろ原曲よりも良いと思います。


18. LOVE ADDICTION / THRIVE
作詞:西川貴教 作曲:toiza71 ※編曲クレジットなし
『dreaming time』2015.11.25 5pb.
たくさんありそうで実は意外と席が空いている声優R&B。まさにこんな曲をこそ待っていました。ユニゾン少なめで長いソロパートで回していくのがbプロジェクトの特徴なのかなとなんとなく感じたんですが、さらに3人という少人数かつ歌えるメンツを揃えたことにより、この曲の場合はその試みがぴったりはまってます。しかし花江くんの才能がすさまじすぎて畏怖すら感じますね……。あと全然関係ないんですが"失くしてわかるようじゃツ・ラ・イ"のところがあまりに植木豪くんぽくて試聴のときびっくりしました。。


17. 空想幸福論 / 野島健児
作詞:松井五郎 作曲・編曲:藤谷一郎
『いつかどこかの僕について』2015.3.21 のじまーけっと
レーベル名は違うかもしれない。すごく怒られそうな気もするんですが、『いつかどこかの僕について』≒『ひふみよ』という説をとなえたいんです。いや名前が"けんじ"だからとかではなくて、歌だけでなく朗読が同じ比重で随所にはさまれるところや、CDやライヴ、サイトなどいろんなものが積み重なって長期的に続いていく感じとか、インディペンデントなスタンスとか。あと、ふたりとも朗読上手いですよね、いや小沢くんはともかくこっちは声優だから当たり前なんですが。ただ読むだけなんだから誰だってある程度できそうじゃんと思ってしまいそうですが、『東京の街が奏でる』で聴いたBOSEの朗読はけっこうたどたどしくて、やっぱり特殊な技術がいるもんなんだなと気づかされたもんです。便宜的に一曲選びましたがアルバムトータルでひとつの作品という気がします。しかし行ったひとならわかってくれるかと思うんですが「Left or Right」「いずれ、ありふれた日常」あたり完全にひふみよの朗読思い出しますよね!? 『東京の街が奏でる』初日から3年経って現れた、これは男性声優から渋谷系への回答です。


16. スマイル・エンゲージ / Beit
作詞:真崎エリカ 作曲・編曲:山口朗彦
THE IDOLM@STER SideM ST@RTING LINE 03 Beit』2015.7.22 ランティス
この曲にかんしては前にさんざん書き散らしたのでセルフ引用します。
"この曲、構成がめちゃくちゃキャッチーです。具体的に書くとサビ1→サビ2→A→B→サビ1→サビ2→A→B'→サビ1→C→間奏→サビ1→サビ2→サビ2、つまり、サビが2つあります。アイドルポップスではたまにある手法ですが(「会いたかった」とかまさにそうですよね)、さらにこの曲の場合2つのサビがわりと似てるので、なんかやたらサビばっかり来る感覚になります。最初ゆっくり始まってすぐアッパーになるところとか、一回Cメロでシリアスにしといてからの間奏で主張するギターソロ、はたまた2番のBメロが微妙に展開をずらしてくるあたりとか、すべてが「キャッチーなアイドルポップスであること」に従事しておりとても気持ちいいです。"
おおむね↑を書いたときと所感は変わらないです。高揚感がものすごい。あと、指差し欲しいです! めっちゃ欲しいです!!! 結局レスの話!


15. PiNK!!! -How To Catch Me- / タイガ(CV:斉藤壮馬)&トア(CV:梅原裕一郎
作詞:岩崎大介 作曲:MIKOTO 編曲:SHIKI
全力少年達のおうたCD 1年生ユニット タイガ&トア』2015.8.26 Rejet
悪質っていうかむしろ悪趣味っていうか。こういうのがほんとのdopeってやつなんですかね。吐息っていうかむしろ喘ぎ声の応酬がつらい。いや、でも謎の中毒性があるんです、なにがどうとかうまく言えないんだけど。なんか全体的に悪い熱病にうなされてるような曲です。ぱっと飛びつくようなキャッチーさとか派手さはないはずなんだけど、なんかこうぐっと頭のなかに蔓延してしまう感覚……。このふたりSolidSでも組んでますけどそれとはまた全然違って、そうまくんの悪魔的な歌声に引っ張られて裕一郎さんの邪な色気みたいなのが引き出されていてそこは良いです。役はきもかったけど……。


14. 覚醒のAir / 羽多野渉
作詞:岩崎大介 作曲・編曲:藤田淳平
『覚醒のAir』2015.10.14 DIVE II entertainment
これはほんとうに迷って、UFOが飛ぶ音を思わせるイントロから始まるみんな大好きShinnosuke作のカップリング「Synchronic」も捨てがたかったのだが、、、(というかこのシングルが3曲ともよくて名盤!)しかしやはり羽多野さんの新たな世界を開いたという意味ではこの曲を選びたい。いい曲なんだろうけどつまんない商業J-POPってイメージしかなかった羽多野さんなんですが、基本的に大仰な感じのほうが合う気がするのでエレメンツガーデンとはいい化学反応起こしてます。ちょっとスタッカート気味の歌唱も切れ味いい。さすが岩崎だけあって歌詞がよく見るとひどいっていうか意味不明なんですが(巡り逢えるリビドーとか残響するリビドーってなんだろうか)、しかし曲のほうもゴシックぽいコーラスだったり教会ぽい雰囲気で負けないくらい仰々しいので、そのうっとうしさがこの曲にかんしては世界観としてうまいことはまってます。でもふだんの岩崎比で考えたら信じられないくらいキャッチーでまともだと思う……。あと、リップ音が気持ち悪くない曲をわたしははじめて聴いた!(感想には個人差があります)


13. 星空メロディ -麗音 only ver.- / 麗音(CV:梅原裕一郎
※作詞・作曲・編曲クレジットなし
『星空ホールへおいでよ♪ 楽器たちのメッセージソングCD 麗音編 〜指先からはじまる愛〜』2015.10.30 made in blue
こういうよくわかんないCDに名曲が隠れているからこそ楽曲派はやめられない。これもなんかイントロにネットレーベル感あります。少しドリーミーでキラキラした音色づかいが印象的ですが、それゆえになのかどこかふしぎとせつなさもあったりして。あと裕一郎さんのふだんよりちょっとがんばって出している音域がぐっときます。絶対無敵ソロヴァージョンとかもそういう部分あったんですが聴き比べると、こんな短期間で歌って上手くなるもんなのかという静かな驚きがあります。レスもきてんだかなんだかよくわかんないし手紙もそもそも届いてるのかもわかんないし、おまいつ活動に挫けそうになることが多々あるというか現場行くたびに心折れてる気がしますけどそういう驚きに出くわすたびに、ああやっぱりこのひとのことが好きだなとしみじみ思うのでした。すみませんもう楽曲関係ないですね、、、ちなみに表題曲の「指先からはじまる愛」も最初ちょっとウッてなったのですが(おもに喘ぎ声みたいなのが)、淡々と抑えたトラックに乗る歌声に色気があって、聴いてるうちに癖になります。。


12. GRAVE OF LOVERS / 奥井翼(CV:斉藤壮馬)&村瀬大(CV:梅原裕一郎
作詞・作曲・編曲:じょん
SolidS Vol.2』2015.5.29 ムービック
SolidSの楽曲にじょんが関わるようになったのはVol.2からで、実はVol.1はべつのひとが書いているんですが、4月のツキプロフェスタでそのことについて問われたじょんが「僕ならもっと違ったかっこいい曲が書ける」と言い放ったことが衝撃的でいまでも覚えてます。そのときはこいつなんてビッグマウスなんだ!と思ってしまったのですがVol.2を聴いたときにそりゃこれくらい言うわ、、、と震えたのもはっきり覚えています……。正直ほんとうは全曲入れたいくらい、楽曲のクオリティ、声優楽曲としての新しさ、グループのレパートリーとして見たときのバラエティの豊富さ、どれも群を抜いてます。さらに素晴らしいのはSolidS自体のメンツがそもそもかなり強いんですが、その4人それぞれの声の魅力を的確に引き出してる、この4人じゃないと歌えない曲になってるところです(Vol.1はそこが殺されてるのがもったいないのです)。くわえてじょんの曲には変態的とも言えるハモリへの執念があふれてます(最大限の賛辞です)。この曲もまた然りでちょっと無頼派っぽくもある裕一郎さんの歌いぶりにもはや余裕しゃくしゃくといった感じで乗っかるそうまくんの艶やかな歌声というバランスが天才的です。しかし"眠るときも靴を履くときも次会ったら何て言おうかなんてさ"考えてるのはこっちのセリフだよな反則だよ。


11. スター・オブ・スター! / team柊
作詞:くまのきよみ 作曲:川浦正大 編曲:大久保薫
『☆SHOW TIME7☆team柊&辰巳琉維×申渡栄吾』2015.11.18 NBCユニバーサル
大久保薫ってわりと器用でなんでもできるぶんとらえどころのないように感じてたんですが、最近コモリタミノル先生のように同じモチーフで何曲もつくるタイプなのかも?とかちょっと思えてきました(ゆいかおりでまんま娘。のWhat is LOVE?な曲とかありましたし)。なにが言いたいかというと「Party Parade!」が好きなら確実にこの曲も好きで逆もまた然りということです。衒いもないくらい王道四つ打ちキラキラポップスなのですがわかっていてもやはり心が躍らされます。"ラブ・レターなんてNo, thank you! ファン・レターはOK!"はちょっと笑った。



次はいよいよ10位から1位です。気持ち的にはもうこのへんの曲ぜんぶ1位くらいの気持ちなんですけどね……ていうかあれですね、いままでと違って今年から地下声優現場に通い始めるようになってしまったので、なるべくニュートラルに選んでるつもりでしたがやっぱり自分の好みがけっこうはっきり出ちゃいますね。。もう来年はレスをくれた声優の曲が1位とかになってるかもしれません、、、