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歌割りオタ的にみる「ロマンスの途中」の素晴らしさ

歌割り。それはグループアイドル特有の要素であり、ヲタを一喜一憂させるものです。が、『いい歌割り』とはいったいなんでしょうか? もちろんひとによって意見は分かれると思うのですが、自分が好きな歌割りにはいくつかの共通点があります。

  • ニゾンが少ない(なくてもいい)

言うまでもなくオールユニゾンだったら割りもクソもないですし、ソロがちょろっとしかなければ歌割りどうこう言う余地がないですからね。。

  • できれば全員にソロパートがある

これ自体はあんまり嫌だというひとはいない気がします。パートって一文字だけとかじゃなくて最低でも一単語ですよ。ただここからは自分の好みなんですが、ソロの分量は必ずしも均等じゃなくてよい、というかむしろ全員にソロがあるけど歌唱力に応じて歌う量が違うというのが個人的には高まります。この全員にソロがあるけど、というのが重要で、完全に歌唱メンしか歌ってないとそれはそれでつまんないのですね。

ソロパートだけで回していくような曲も好きなんですけど、2人とか3人とかのユニゾンだと意外な組み合わせがあったりして個人的には面白さを感じます。「Luv Sick」の"超心理的持続インスピレーション〜"のくだりとかがこれですね。ただしこれがあると音源だけでは完全に歌割りを特定できなくなってしまうので、楽しいけどヲタ泣かせでもあります。カップリング曲で映像が残らなかったりそもそもライヴでやらなかったりするとなおさら泣

  • 歌割りが細かい

わりとトリッキーな歌割りが好きなので、細かいというか「え、ここで切るの!?」みたいな割り方だとおってなります。娘。の「A B C D E-cha E-chaしたい」とか、うたプリの「QUARTET★NIGHT」とかがまさにそんな感じですね。
あとグループの人数が偶数より奇数のほうが好きなのも歌割りが予想しづらくなるからというのが大きいです。偶数だと割りやすい反面、歌割りがマンネリ化してしまいがちなんですよね……。


で、このポイントを全部満たしてる曲が、なんとあるんですよ! ということでそれがJuice=Juice「ロマンスの途中」なわけです。いちおうよく知らない方のために、歌割りを貼っておきます。http://yxmxgxn.hatenablog.com/entry/2014/04/29/071039
まず全員ユニゾンはサビ前とサビの一部だけで非常に少ないです。そしてちゃんと全員にソロパートがあります。このパート量もすごく絶妙なところで、ソロの量だけならセンターの佳林ちゃんが一番多いのですが、ユニゾン含めた全体で見るとツートップのもう片方である紗友希が一番たくさん歌っているのです。さらにメインヴォーカル3人のなかでも完全に均等ではなく、朋子がちょっと少なくて2+1になっているあたりのバランス感覚!
さらに特筆すべきところはユニゾンのバリエーションの多さです。2チームに分かれてサビを交互にユニゾンっていうのはよくあると思いますが(ジュースでも「初めてを経験中」とか)、この曲では2人、3人、4人、そして5人全員とさまざまな組み合わせが現れます。3人ユニゾンもメイン3人、歌唱メン1人+非歌唱メン2人とか、2人ユニゾンも順番が固定されていなくて予想がつきにくく、おっ!ってなります。
そしてなにより、歌割りをぱっと見てもらえればわかると思うのですが、まさにそうくるか!というような興奮を与えてくれる割り方になっています。まずAメロでは文章単位の長めのソロでそれぞれ顔見せしたあと、"ジェラシー【宮本】のない【高木】恋つまんない【金澤】"といきなり単語単位で入れ替わり、3人ユニゾンから朋子が加わってなめらかに4人ユニゾンに移ったのち佳林ちゃんのソロが爆発します。そこからの、あーりー(ゆかにゃん)ソロ→メイン3人のユニゾンでそれを補強し、ふたたび3人が存分に歌ったのちサビ前の全員ユニゾンからこれもなめらかにサビの頭の全員ユニゾンへ。そしてサビではまた細かく歌い手が入れ替わり、まったく退屈しない構成です。
さらに最後のサビはとてもトリッキーで、まず"「愛してるわ」と【宮本】言え!【金澤】はっきり【宮本】口にださなきゃ【高木】すごい【宮崎】やばい【植村】"と、それまでのサビでは5つに区切っていたフレーズを6つに区切っています。もしかしたら最初は6人で歌うことを想定していたからとかまあそういうことなのかもしれませんが、結果として2回出てくる佳林ちゃんの位置など変則的な歌割りになっています。それを次のフレーズはまるまる全員ユニゾンでリセットし、今度は"「愛してるわ」と言え!【宮本】はっきり口にださなきゃ【高木】すごい【金澤】やばい【宮本】"とまた区切り方が変わります。ここでは佳林ちゃんに始まり佳林ちゃんで締められ、そしてふたたび全員ユニゾンのあとゆかにゃんあーりーのソロがあって朋子で終わります。法則性があるようでないようで、フレーズごとに新鮮な驚きがあり、この最後のサビは何度聴いても高まるところです。
ジュースは基本メインヴォーカルは固定ながら、曲によっては5人ともそれなりにソロパートが与えられていたり、パートは多くなくともあーりーがセンターになったり(通称ザ☆ピ〜ス!方式)、なかなかさまざまな試みをしていて面白いです。「ロマンスの途中」も歌割りだけじゃなく、楽曲大賞の投票コメントにも書きましたが振りとコールが呼応している機能性や韻を踏みまくっている歌詞など、軽く流してしまうにはもったいないほどいろんな要素が詰め込まれていてまさにデビュー曲にふさわしい曲だなと思ってます。今後もまだまだいろんな観点からわたしたちを楽しませてくれる楽曲が現れてくれることを願って!