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超個人的男性声優楽曲大賞2013(前編)

まったく誰にも求められてませんが、表題の通りです。今まで自分にとって完全に未知の領域だった世界に今年は踏み出したので、それを記念して? というのかなんというのか、まあ今年よく聴いた曲をまとめてみたいと思います。あくまで自分のなかで勝手にやる話なので順位については怒らないでください。
ルールとしては、2012年12月〜2013年11月に発表(発売ではない)された曲を対象とします。これは表向きは本家リスペクトですが要は去年の12月に出た曲で入れたい曲があるからです。発売ではない、としたのも音源になってる曲に限ると漏れてしまう曲があるせいです。あと、縛りがあった方が決めるときに面白いので、同じCDからはなるべく一曲だけというのもルールとして決めておくことにします。



20. Don't Stop!!!! / 井吹宗正 (CV:鈴木達央)
『イナズマオールスターズ×TPKキャラクターソングアルバム「感動共有!」』2013.8.14 avex entertainment
作詞・作曲:KMC 編曲:菊谷知樹
どうにも渋谷系の香りをかすかに感じると思っていたのですが、これ小沢健二「ラブリー」(およびベティ・ライト「Clean Up Woman」)だ。もちろんあんなあからさまじゃないですが、こういうアプローチはキャラソンというジャンルでは珍しいんじゃないかな……? そうでもないのかな? そもそも曲調自体、四つ打ちでもゴリゴリのロックでもなく(両方とも好きなんですが、どうしても全体的にこの二つが目立つイメージなので)好感が持てます。しかしこの曲で致命的に良くないのは誰が聞いてもわかるレベルで滑舌が甘い点です。2番とか思いっきりネガティビュ、って言ってるんだ…………。


19. PARTY☆ビート / Trignal
『PARTY』2012.12.12 Kiramune
作詞:古屋真 作曲:黒須和彦 編曲:渡辺和紀
Trignalは個人的には男性声優界の良心というか、期待も予想も裏切らない、安心して聴けるユニットだと思っています。冒険的なことは決してしないけれど、その代わりにどの曲も一定のクオリティを保っていて、歌もそんなに上手くもなければ超音痴でもない、けれども歌っている楽しさはちゃんと伝わってくる、本当に絶妙なライン。こう書くとけなしてるように思えるかもしれませんが、声優の歌う曲というのは往々にして自己主張が強くなりがちで(もともとが特徴的な声質のひとが多いので当たり前の話かも)、そのなかでふいにTrignalの曲が流れてくるととてもホッとするのです。
わりとどの曲も良いんで選ぶのは難しいんですがタイトルチューンということでこれを。この曲もシンプルな四つ打ちながら、こっちまで楽しい気持ちになってくる良曲。20曲のなかでふだん聴いているようなアイドルソングに一番近い存在のような気もします。同じミニアルバムに入ってる「初雪」という曲は作詞:春和文、作曲:藤末樹なので本当にアイドルかもしれない笑


18. 14 to 1 / ASAHINA Bros. + JULI
『14 to 1』2013.7.31 ジェネオン・ユニバーサル
作詞:くまのきよみ 作曲・編曲:C.G mix
若干「One・Two・Three」を連想させるようなイントロからどこかコミカルなフレーズを挟んで繋がる細谷佳正の歌い出しはある意味1位かもしれない。あまりのズッコケっぷりに、続く小野さんまでもが下手くそに聞こえてしまうほど。しかしこの歌い出しがなければこの曲がここまで話題にならなかったのも事実……。Free!が少数精鋭ならこちらは物量作戦とばかりに大人数ユニゾンの圧が押し寄せてきますが、加工が少なくもともとの声を活かす方向で作られているのも「SPLASH FREE」とは好対照。CDにはなんと14人全員のキャストコメントも収録されていて楽しいです。
しかし細谷佳正の真の力はこんなものではなかった……!


17. 水中飛行論における多角的アプローチ / 竜ヶ崎怜 (CV:平川大輔)
『「Free!」キャラクターソング Vol.5 竜ヶ崎怜』2013.9.4 ランティス
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:佐々木裕
Free!キャラソンのなかで一番"キャラクターソング"として正しいのはこれだと思っています。「DIVE&FLY」も曲としては良いのですが竜ヶ崎怜というキャラにはクールすぎる気がして、その点こっちは曲のかっこよさはそのままに起伏の激しいメロディとコミカルな歌詞によって、平板な印象を拭い去ることに成功しているとともに怜ちゃんの外見は格好良いのに内面は残念なキャラクターをぴったり表現できているように感じました。なぜかセクシーなものを感じさせる歌い出しから続く「ワイワイワイ!」への落差がお見事。


16. SPLASH FREE / STYLE FIVE
『SPLASH FREE』2013.8.7 ランティス
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:渡辺泰司
テンポのいい四つ打ちが心地よい良曲。「未来へのストローク」といい「スーパーノヴァ」といい、渡辺泰司は四つ打ちが得意分野なのかな? とくにフルサイズだと2番のBメロが長いおかげで顕著なのですが、ユニゾン多めながらも追っかけコーラスがあったり頻繁に歌う組み合わせが変わったりと結構歌割りが凝っています。なので本来ならもっと高まるはずなのですが、いかんせん科学の力を使いすぎで誰が誰だか若干わからなくなっているせいで(これはこれで丁寧な仕事だし全体の調和を重視すれば正しいのですが)、せっかくの歌割りの面白さが少し損なわれてしまっているのが難点です。


15. The Misfit Go / OLDCODEX
『The Misfit Go』2013.5.22 ランティス
作詞:YORKE. 作曲・編曲:eba
今年出たOCDのシングルではこれが一番好きです。メロディラインが綺麗なのと静と動のメリハリがはっきりしているおかげで、盛り上がるべきところで盛り上がり、ゴリゴリした重い音でも失笑を買うことなくちゃんとかっこいい。他の曲ではいまいちうーんとなりがちながなり気味の歌い方も、この曲に関してはそこまで激しく濁ることもなく、ぴったりハマっている感じがします。歌詞も珍しくほぼ日本語のシンプルな文章で書かれていますが、それがハードさだけじゃなく一抹の美しさを添えているように思います。


14. CRYSTAL TIME / 一ノ瀬トキヤ (CV:宮野真守)
うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000% アイドルソング 一ノ瀬トキヤ』2013.6.12 ブロッコリー
作詞・作曲:上松範康 編曲:菊田大介
明言はされていませんがおそらく意図的に(歌詞にも入ってるし)「七色のコンパス」に似せたと思われるイントロから壮大なバラードかと思いきや、最初のサビが終わると印象的なピアノのフレーズとともに四つ打ちのリズムが入ってくる、ベタですが効果的な演出が憎いです。いくら奇を衒っても結局王道に勝るものはないなと思わせてくれる曲。そしてこの曲は本当に歌詞が素晴らしい。勝手に好きなアイドルの女の子に贈りたくなりました……。
この曲がいままでの一ノ瀬トキヤというひとの集大成として作られたものなら、対するカップリングの「Independence」はそれをいったんすべて破壊してその先にあるものを追い求めていくような曲で、そちらも非常にかっこいいです。ぎりぎりまでどっちを入れようか迷いましたが、やっぱり"覚えていますかPrincess?"のフレーズが素晴らしいのでこちらに。


13. オレンジラプソディ / 神宮寺レン (CV:諏訪部順一)
うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000% アイドルソング 神宮寺レン』2013.5.22 ブロッコリー
作詞:上松範康 作曲・編曲:藤間仁
リスアニのElements Gardenインタビューでも2000%のアイドルソングでは新しいことにチャレンジしようとしたと語られていましたが、この曲はその通りラテンの雰囲気は残しつつもタップの音が効果的に使われ、現代的なダンスナンバーにうまく落とし込まれていると思います。始まりはともかくこの曲調だとアカペラで終わるのは違和感が起こりそうなものですが、そこも綺麗にまとめているのはさすが。そして曲中に入るリップ音もさすがです……笑


12. Liar / ロキ・レーヴァテイン (CV:細谷佳正)
『神々の悪戯 神曲バルドル&ロキ』2013.8.28 ブロッコリー
作詞:香月亜哉音 作曲・編曲:中山真斗
これが「14 to 1」と同じひとなんですか? と戦慄した一曲。まさにトリックスターの表情のようにくるくる変化するメロディと歌声は、どこか邪な色気を漂わせています。かすかに吐息まじりになったかと思いきやミュージカルスターのように歌い上げていたりして、その破壊力には正直ぞくぞくします。サビ終わりの"その手に抱えきれないほどの Iを for you"のところのリズムもなんだか癖になります。これだけ歌えるんだったらブラコンもちゃんと歌ってくれればいいのに……。


11. Break our balance / 松岡凛 (CV:宮野真守)
『「Free!」キャラクターソング Vol.3 松岡凛』2013.9.4 ランティス
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:R・O・N
ロンくんの曲はある程度歌えるひとでないと負けてしまうという持論があるのですが、まさにこの曲は強い楽曲と強い歌手のぶつかり合いといった感で文句ないです。また遙と真琴のキャラソンにはなかったセリフが入るということで、どうなることかと非常に不安だったのですが、蓋を開けてみればとても効果的に使われていて、むしろセリフがあることでグッと締まった感じすらさせるのがすごい。



とりあえずここまで。しかし20曲選んで順位をつけたうえでちゃんと感想を書くのはほんと大変だ……。