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オールドスクールとニュースクール

もうほんとにぼんやりとした思いつきなので、なんとなーく読み流してくれればそれでいいんですけども。


あいかわらず局地的西山"たろり"宏太朗ブームが続いているわけなんですけど、西山くんとか裕一郎さんはなんか決定的に新しい感じがするなと思っていて、じゃあなにが新しいんだって訊かれたときに半分苦し紛れで「声優っぽくないところ」って答えたんですが、でもこれってあながち完全に外してるわけでもないなってちょっと思いまして。っていうのは、りょうさんが書いてた
白井悠介という男について - すべては個人的な意見
このエントリを読んでなんとなく形になってきた考えなんですけど、ふたりにかぎらず『声優である』ということにあんまり特別な気負いを抱いていない声優が増えてきたのかもしれないなという。ほかにステージに立つ仕事というのはたくさんあるわけだけど、あくまでそのなかのひとつとして声優を選んでいるというか。もちろんみんなそれぞれに声優という職業に思い入れはあるだろうしそのありかたもさまざまだと思うんだけど、声優以外の仕事でもそつなくこなせそうだなと思うところが新しい世代の象徴的な要素かなと思ってきました。
って書くとなんかけなしてるみたいにとるひともいると思うんだけど、わたしが言いたいのはいい悪いじゃなくて、ただむしろ声優というある種箱庭の世界を今後飛び越えられるのはそういうフラットでニュートラルなスタンスの声優たちなんじゃないかとは思ってます。これは単純に活動範囲の話ではなくて、たとえばこのダイアリーでも何度も話題に出してる達央くんや宮野さんは声優活動と同じくらい、あるいはそれ以上に力を入れて音楽活動をしているしときには舞台に立ったりもするけれど、どうしても本人に「自分は声優である」という意識が根付いていて、だからこそ声優として見られてるということを過剰に意識しすぎてもがき苦しんだり反動形成に走ったりする部分が出てくるんじゃないかという。このへんはわりとアイドルとも通じるところで、ほとんど先駆者のいないところで闘ってきたひとたちと物心ついたときには既に『アイドル』ってものの地位が確立されてたひとたちでは自意識のあり方は違って当たり前で、つまりそういうニュージェネレーションが出てきたってことは声優が人前に出ることがいよいよ自然なことになってきたということなんじゃないかなあ。
あと、この前キャラクターについて書いたけど、『新しい』声優たちはひょっとしてキャラクターからも距離を置いているんじゃないかという仮説もちょっとあって。乙女ゲーのイベントとかだと顕著なんだけど、みんな最初から最後まで外見含めほとんどキャラクターとして振る舞おうとするし、客も演者一個人ではなく一キャラクターとしての言動を求めていたりするんだけど、それって当たり前のようでいてよく考えるとけっこう奇妙だよなと。たとえばドラえもんのイベントがあったとして、水田わさびが本人として作品を語るさまだったらなんとなく想像できるけど、ずっと自分はドラえもんだというていで喋ってたらすごく不思議ちゃんじゃないですか。話を防衛部に戻すと、べつに本人たちがモデルなわけでもないのに、びっくりするくらい自分たちとキャラクターを区別していて、でもキャラクターとか作品に思い入れはちゃんとある、という状態なんですよね。オールドスクール的な考え方だと、キャラクターへの愛情とか思い入れははっきりしたかたちをとって表れるべき、みたいなのがあって、祭壇とかつくってるおたくもたぶんそういう原理にもとづいて行動してると思うんですが。その視点から見るとニュースクール的な声優は一見キャラクターを愛してないみたいに見えかねないし、ひいてはなんで声優やってるのかわかんないっていうふうにも見えるんですけど、ただ自分は自分、作品は作品、みたいに分けてるだけで愛情がないわけでは全然ないんですよねきっと。ああ、暑苦しさを表に出さないスマートさみたいなのも新しい声優の特徴なのかなーと思います。
でもだいたいどんな作品でも絶対ひとりはキャラクターに寄せた見た目にしてくるやつがいて、防衛部もそれは例外じゃなく、つまり5人のなかでひとりだけ突き抜けてオールドスクールな声優である増田俊樹が最初浮いてたのはやっぱり必然だったんだろうなっていう。ひとりだけ演じてる蔵王の髪型をしてるのは前にも書きましたけど、ラヴライヴでもところどころで蔵王を意識したというか「蔵王だったらこうできる」みたいな発言をしていて。そういう意味で考えると白井さんは防衛部最年長だけどかなりニュースクール寄りのスタンスですよねえ。だから増田とたろりがいまいちかみ合わないのも逆にたろりと白井さんが意外と仲良さそうなのもそういうことなのかもしれない……謎。いや結局だからなにっていうオチとかもないんですがもうちょっと引き続き煮詰めて考えてみたいテーマかもしれません。とりあえずたろりはもっと歌う仕事きてもいいと思うんだけどなー。