宮野真守/PASSAGE

PASSAGE(初回限定盤)(DVD付)

今週出たばっかりなのですがあまりによくてこれ（とロマンスの途中。こっちもすごいやばい）ばっかり聴いています……！　買ってまず衝撃的だったのが、初回盤のあまりのお得さ。フルアルバム（こっちの歌詞カード自体も写真多めで豪華）にMV3本＋それぞれのメイキングたっぷり入ったDVDと北海道ロケ32ページのフォトブックまでついて3,500円で、普通に考えてもコストパフォーマンスが良いのにアイドル商法に慣れてる身からしたら逆にもっとお金払うよ！って言いたくなってしまいます。
CDのほうは楽曲派を自認するなら聴いて損はない出来です。前作の『FANTASISTA』がとても良くて、今まで勝手に抱いていた「声優の曲ってどこかちょっと古くさいというか独特の世界だよなあ」というイメージを完全に覆されたことがこのアルバムを買ったきっかけなのですが、今作も完全に期待通り、というか正直期待以上でした。一曲目の"UNSTOPPABLE"からしてめちゃくちゃかっこいいです。途中で入ってくるワブルベースだったり逆回しになるっぽいところだったり、わりと流行を取り入れてる感じはこの業界では珍しい気がしましたがそうでもないのかな……。そこからの"ULTRA FLY"でブチ上がり、CMでもやってるリード曲"Identity"では勢いを残したまま妖艶な世界観を披露。続く"THANK YOU (reprise)"で少し落ち着いたかと思えば、"愛の詩""GOLDEN NIGHT"では火遊びっぽい歌詞を挑発的に歌い上げます。とくに前者は高橋愛を思わせる歌い方で（わかりやすいようでわかりづらい例え笑）、ラスサビが半端なくかっこいいのでライヴだとより映える気がします。そこからのドラマチックな"カノン"で盛り上がりが最高頂に達して、"辻の華"でしっとりと歌声を聴かせてからの、問題作"スーパーノヴァ"ですよ。Free!のEDも作曲の渡辺泰司によるキラキラした四つ打ちに乗る、一瞬だれが歌ってるのか本気で考えてしまったほどのかわいらしい歌声、この謎の中毒性……。本当に3,4曲前でドヤってたひとと同一人物なのか怪しいくらいで、こんな曲もできるんだとびっくりしました。そして"Calling"、"passage,"と本人作詞の曲が2曲。前者はとてもストレートでエモーショナルなロックで、これがシングルでもおかしくないと思えるクオリティ。後者は一見淡々としながらも、"空っぽだったカバンの中は無駄じゃないガラクタばかり"とか"PASS&AGE"とか一番と二番で対になってるセリフとか、ところどころに光るフレーズがあって良曲。"ULTRA FLY"も含め、このひとの歌詞は変に奇を衒うことなくまっすぐだけど、かといって凡庸でつまらないというわけでもなくセンスを感じるなあと思います。最後は希望を感じさせる明るいバラード"未来"で締め。というわけでバラエティに富んで聴きごたえある充実したアルバムなのですが、何故か終わりにさしかかる頃には「あれ、もう終わり……？」と思ってしまい、リピートにしてしまいまた止めどころがわからなくなってしまうという罠が！笑
DVDも内容たっぷりで楽しめました。そもそもMV自体どれもお金がかかってる感じで素直に羨ましいんですが笑、メイキングもそれぞれに15分ずつくらいあって出し惜しみなし。パフォーマンス厨としてはやっぱり"ULTRA FLY"の空き時間とか"Identity"のリハとかのちょっと踊ってるシーンに目がいきました。もともとダンスが上手いうえに手足が長いからより綺麗に見えますね……。
あと『擬似デート』というコンセプトと聞いてどんなもんなんだろうと思ってたフォトブックなんですが、思ってた以上にすごかった。これがもし自分の推しだったら恥ずかしくて直視できないくらいサービス精神旺盛でした。また迷いなくやりきってるから嫌味な感じやドヤ感もせず、逆に清々しさすらある笑　どれもこれも全体的にこんなに盛りだくさんでいいの？って不安になるレベルで、ほんといいもの見せて聴かせてもらいましたって気持ちです。