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ポルノグラフィティ/PANORAMA PORNO

最近ポルノグラフィティばかり聴いています。どれだけ聴いてるかというと、気づいたらlast.fmでトップリスナーに入ってしまうくらい聴いています。というと、たぶんみんな「あぁ、懐かしいね〜。アポロとかアゲハ蝶とか。あっ、幸せについてなんとか……って曲もあったよね? 最近見ないよね、まだやってるの?」みたいな感じだと思うんですが、個人的にはどちらかというとここ数年の曲の方が圧倒的に多く聴いているのです。
自分は三人時代には熱狂的なファンでしたが、その後二人になるタイミングで離れてしまい、またハネウマあたりでゆるやかに戻ってきましたが、アルバムポルノはちょっと試聴したくらい、シングルリリースのたびにテレビに出てたら見るかなあくらいで、その後ひとり暮らしを始めて忙しくなったこともありベスト以降まったく動向を知りませんでした。それがまた熱を取り戻してしまったそもそものきっかけは、たまたま2011年の年末に行われた幕張ロマンスポルノのブルーレイが売っているのを見かけたこと。ちょうどその頃家でブルーレイが見られるようになったタイミングということもあり、ジャケットがいいのも気になって手に取ってみれば意外なほど知っている曲が多い。なにより自分の大好きな曲のひとつである"蝙蝠"が入ってる! ブルーレイだから映像も綺麗だろうし、最近どんな感じか気になるしお金がある時に買ってみようかなあ。と思いながらその場はスルーしたんですが、どうしても頭のなかにその存在がひっかかっていて仕方ないので、しばらく後にとうとう思い切って買いました。
自分が離れた以降の曲は正直ダメでもともとというか、期待しないで再生したのですが、めっちゃくちゃよかったんですよ。そもそもこのブルーレイ自体がとても良かったのですが、そのなかでも2012Spark、ワンモアタイム、ゆきのいろという三曲に持っていかれてしまいました。もうそこばっかり再生してしまうので、いろいろ調べたら三曲とも同じアルバムに入ってる! 気づいたらタワーレコード渋谷店でトリガーとパノラマポルノ、両方ともDVD付きを買っていました。渋谷店、品揃えすごいですね。。まあそれはさておき、やっと本題。
このアルバムのいちばん大きな特徴はなんといっても、今まで全曲のアレンジを手がけていたプロデューサーの本間さんから離れたことでしょう(とはいってもトータルプロデューサーとして参加してるし、何曲かアレンジもしてはいますが)。結果的に、いわゆる世間的なポルノグラフィティのイメージとは全然違う音になっています。なんというか語弊を恐れずに言えば、ちゃんとバンドっぽい、というか(上手く言えない……)。賛否両論あるとは思うんですが、それぞれの曲により寄り添ったアレンジができるという点ではよい選択だと思います。これは本間さんだったらやらないだろうなあと思うところが多くて新鮮。一曲ごとにアレンジャーが違うのはアレンジャーヲタ的観点でも楽しめるので個人的には嬉しいです。というかめちゃめちゃ豪華なメンツですよこれ……。参加ミュージシャンもトライセラよしふみ(!!!?)とかターキーとか100sのドラムのひととか根岸さんとかでびっくり。
曲順もよくて、シングルが5曲と多いんですけどうまいこと入れ込んだなという印象。"君は100%"と"EXIT"は無理に入れなくてもよかったかなーとは思いますが、でも変に浮いてはいないです。15曲と曲数自体そもそも多いんですが、流れがいいので一曲だけ聴こうかなと思ってもついつい次の曲まで聴いてしまう感じ。とくに終わりの方の流れがとてもよくて、ラストに持ってきてもおかしくない(実際幕張ではそうなってる)"ゆきのいろ"をこの位置に持ってこれたのがすごいなと。"ゆきのいろ"から"光のストーリー"までの流れには、『雲をも掴む民』の"n.t"→"ヴォイス"→"パレット”みたいな曲順の妙を思い起こしたりもしました。これだけ曲数があってもちゃんと曲順に意味があるというか、曲順通りに聴くのが一番いいなと思えました。
あと岡野さんのヴォーカルがどえらいことになっていて、三人の頃とは、いや二人になってからの初め数年とも全然別のバンドになったなあと感じます。"EXIT"、"素敵すぎてしまった"、"ゆきのいろ"、"光のストーリー"とバラードが4曲あるんですが、全部ちゃんと違う表現をできている。しかも昔より技術も当然上がってるし、このアルバム全体的に音域が高い曲が多いんですけど昔より高音が出てる! 岡野さんは鬼気迫るというか狂気というか、そういうところの表現は最初からとても得意だったと思うんですけど、逆に繊細な歌い分けみたいなのはそこまででもないイメージがあって、バラードだと正直声が浮いていると感じることもありました。でも今作はそういうことがなくて、もちろんバラード以外でも、曲によって声の表情がそれぞれ違って説得力が増しているように思いました。昔の曲ももちろん好きな曲は多いんですが、CD音源の場合はそういう意味で最近の曲の方が聴いていてより楽しいんですよね。幕張のブルーレイでも初期の曲をやってますが、歌い方の変化や歌唱力の向上がはっきりわかって面白いです。
シングル曲が本当に強いのでそこにばっかり耳がいってしまいそうになるんですけど、それ以外の曲も粒ぞろいなので何度も聴いているうちにすごく好きになってくる、スルメってやつです。それぞれのアレンジャーが一曲一曲に力を出し切ってる印象もあって、そういう意味でも本間さんから離れてみるっていう試みは成功なんじゃないかと。もしかしたらずっとポルノグラフィティを聴いているひととか、逆に本当に初期のヒットシングルしか知らないようなひとたちからするとこんなのポルノじゃない、って感じなのかもしれないんですが、自分みたいに昔大好きだったけど、なんとなく他の音楽を聴くようになってポルノと疎遠になってしまった、みたいな感じのひとはハマりそうな気がします。


あ、でも変わってなくて安心させてくれるところいっこあります! それはワンモアタイムのドヤ顔ギターソロ(褒め言葉ですよ!)。だって1枚目とか2枚目とかのアルバム聴くと笑っちゃうくらいドヤ顔ギターソロ入ってるでしょ?笑 それってみんなが思う「ポルノグラフィティらしさ」の一部だったとも思うんですよ。それがものすごく堂々と、かつかっこよく入ってくるので、ちょっとホッとしました。。笑